歯科医が処方する歯ブラシ
さまざまなタイプの歯ブラシが市販されていますが、歯科医院でドクターがみずから選んで販売している歯ブラシもあります。その中でも個人的にお勧めしたいのがルシェロ(ruscello)です。
ルシェロの歯ブラシには、一人一人の口腔内環境に合せて歯ブラシを選べるよう、ブラシの硬さや材質だけでなくブラシの毛の配置・形状なども細かく変えた様々な種類の歯ブラシが揃えられています。そのため、ドクターや歯科衛生士が患者さまの症状や口腔環境に合せて歯ブラシを「処方」することができます。
現代では多くの人が歯周病に罹患していますが、その歯周病を予防するためにも歯磨きはかかせません。ルシェロの歯ブラシには歯周病の原因となるプラークを除去しやすい構造になっているものや、歯肉炎を抱えた方向けのものもあります。
すぐにできる歯磨きテクニック
そうした、症状に合わせた歯ブラシを選ぶのは一つの策ですが、ドラックストアなどで販売されている歯ブラシでも工夫次第で質の高い歯みがきを行うことができます。
お勧めなのは、部位に合せて使用する歯ブラシを変えることです。例えば、歯周病に対応するならば、プラークの溜まりやすい歯と歯茎の間を重点的に磨かなければなりません。そのために1本は細かい部分に対応できるコンパクトで柔らかいタイプを使います。しかし、歯の側面などの面積の大きな箇所は細かい歯ブラシで磨くには効率が悪く、磨きにくくもあります。そこでもう1本の歯ブラシは少し硬めで広い範囲がしっかりと磨けるものを選ぶ、というように使い分けによって普段の歯みがきの質を上げることができます。
最低でも朝と夜の2回
歯磨きは朝と夜の1日2回が一般的です。食事をすると、どうしても食べ物の残りが口の中に残ってしまいますから、理想は食後に歯磨きをする習慣をつくることです。
歯磨きは、食後すぐしなければならないものではありませんが、食事をしてから8時間ほどすると口の中で細菌が繁殖します。日中は唾液の働きで口腔内の細菌の繁殖はある程度抑えられますが、寝ている間には唾液がそれほど分泌されなくなります。
そのため、朝起きたときは、口の中にもっとも細菌が繁殖している時間帯でもあり、口の中はねばついていて何となく気持ち悪い思いをする方も多いことでしょう。就寝中の細菌の増殖をできるだけ防ぐためにも、夜寝る前にしっかり歯をみがくことが大切です。また、起きたときに、軽く口をゆすぐか、サッと磨いてから朝食を取り、その後でしっかりと歯磨きをすると気持ち良く1日のスタートがきれることでしょう。
気をつけたい食べ物
お口の中の細菌は特に糖分を好物としています。糖分はプラークを増殖させる原因となりますし、細菌は糖分を利用して歯を溶かす酸を発生させます。「糖分」といっても問題になるのは砂糖などの「ショ糖」です。虫歯や歯周病が気になるかたは、砂糖が含まれる食べ物を控え、食べた後にはしっかりと歯磨きを行うことをお勧めします。
ちなみに、「ショ糖」は二糖類に分類されますが、単糖類に分類されるハチミツやブドウ糖はまた別物です。特にハチミツなどは口腔環境を向上させるものとして知られています。
生活習慣にも注意
食べ物ではありませんが、歯周病を抱える患者さまは禁煙が条件です。たばこを吸うと、血管か収縮し、血流が悪くなります。歯周病は細菌によって起こりますから、血流が悪化すると、細菌と戦う白血球などの免疫物質が十分に機能できなくなるのです。
また、睡眠をしっかりとりストレスを抱えない生活を送ることも大切です。
日々の忙しさに、おろそかになってしまうことの多い歯みがきですが、近い将来の生活の質を左右する大切なルーティンワークです。歯ブラシを含め、自分の歯みがきライフを見つめ直してみてくださね。