矯正治療の期間は長いほうがいいの?

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1~3年が一般的?

歯の矯正治療は歯を徐々に動かしていきます。歯の一部はあごの骨の中にありますから、簡単には動きません。また、あごの位置や形、大きさまで調整する必要があります。どうしても時間がかかり、患者さんの事情によって個人差はあるものの、多くの歯科医院では1~3年ほどかけて治療しているようです。特に子どもの場合、あごの成長を考慮しなければならず、数年にわたることもあります。

安易に急いで治療をするよりも、じっくりと時間をかけて慎重に治療をするほうが良いと思う人もいるでしょう。

患者さんの負担軽減になる時間短縮

作家の山崎豊子さんの代表作である『白い巨塔』を読まれたことはありますか。テレビドラマ化されましたから、テレビでご覧になった方もおいでになるかもしれません。主人公の大学教授は手術時間の短縮化に努め、その記録を誇ってもいました。作品にはこの考え方に疑問を呈する人物も登場しますが、手術時間は短いほど、手術を受ける患者さんの体の負担が軽くなることは事実です。

歯の矯正治療は手術ではありませんが、無駄に時間をかければいいというわけではありません。短期間で済むならそのほうがベストなのです。

短期間治療のメリット

歯の矯正治療はそれほどの痛みはありませんが、それでも矯正装置をつけたまま生活をするわけですから、違和感を覚える方もいますし、それがストレスになる方も少なくありません。やはり、治療期間は短いに越したことはありません。
しかも、治療が長期に及ぶと、虫歯や歯周病などのリスクが高まります。

そこで注目されているのが、短期間で矯正治療を行なうという歯科医院です。治療技術や材料が進歩していることで、確かに治療期間は短くなる傾向にあります。しかし、同じ短期の治療をうたっていても、歯科医院選びには慎重になってください。

その目安となるのが、CTやレントゲンだけでなく、最新の3Dスキャナーなど、医療機器が充実しているかどうかです。これまでの歯の矯正治療は歯科医の経験や感覚に頼っていた面がありました。それがこれらの最新機器によって完全なデジタルデータ化が実現し、短期間で精確な治療が可能になったのです。