きれいな歯並びって?

歯並びの悪さに気がついていない人

 歯の矯正治療をする人がまだまだ少ない日本ですが、その原因のひとつに、自分の歯並びの悪さに気がついていないことが考えられます。
料理のおいしくない家庭で育つと、おいしい料理とはどんなものかを知らないまま大人になるので、どうしても“味音痴”になるようです。
 それと同じで、明らかに歯並びや噛み合せが悪かったら、誰でもわかりますが、きれいな歯並びとはどんな状態かを知っておかないと、少しくらいの“不具合”にはなかなか気がつきません。
 残念ですが、歯科医の立場から見ると、決して歯並びがいいとはいえない人はたくさんいます。専門家の見る視点で、自分の歯並びを見直してみてはどうでしょうか。

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前歯と犬歯の位置で噛み合わせを判断

 まず、鏡に向かって「イーッ」と言って、上下の歯を合わせてみてください。2本の前歯の間が上下の歯の中心になります。この2本の歯の間が上下合っているかどうか。もし、合っていれば、下の歯を上の歯が2ミリほど覆っているかどうか。

 もうひとつの目安は犬歯です。犬歯より奥の歯のどれもが、上の歯は下の2本の歯の間と合っているかどうか。これを、「一歯対二歯の噛み合わせ」と呼んでいます。特に、横から見るとわかりやすいでしょう。

 これらすべてが「イエス」なら大丈夫です。

噛み合わせに影響する顔とあごの位置

 顔やあごの位置も歯の噛み合わせに大きな影響を及ぼします。

今度は口を閉じて正面を見てください。あごが左右にズレていませんか。下あごの先にシワはありませんか。次は横から見たとき、上下のどちらかのあごが前に出すぎていませんか。
 どれか1点でも該当していれば、「問題あり」です。

 鼻の頭と下あごの先を1本の線でつないでみてください。といってもイメージの中です。実際には、定規などを置いてもいいでしょう。上唇はこの線上との間に2ミリほどの隙間があるかどうか、下唇は線上にあるかどうか。もし、このとおりなら問題ありません。日本人の場合、子どもを除いて、この状態が一般的といわれています。例えば、定規を置いたとき、上唇や下唇が定規を前へ押していたり、定規との間に大きな隙間ができていたりすれば、やはり「問題あり」と考えていいでしょう。