悪いかみ合わせ(不正咬合)とは その2

歯並びの悪さや悪いかみ合わせのことを、専門的には不正咬合(こうごう)と呼びます。ただし、自分自身では気づかないものもあり、歯並びの悪さを見つけるためには、不正咬合のことを知っておかなければなりません。前回の「悪いかみ合わせ その1」に続いて不正咬合の種類を紹介します。

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食事に苦労する開咬(オープンバイト)

 前歯でかみ切れず、食事のときに困っていませんか。そのような場合は開咬の可能性があります。開咬とは、前歯がうまくかみ合わず、上下に隙間が空いてしまう状態です。奥歯の数本はかみ合っていることもありますが、それ以外はほとんどかみ合っていません。よって、食べ物を前歯でかみ切ることができなくなるのです。見た目だけでなく、食べることにも苦労し、食事を楽しめません。

日本人に多い叢生(そうせい)

 日本人の多くにみられるのが叢生です。乱(らん)杭(ぐい)歯(ば)ともいい、でこぼこした歯並びを特徴としています。乳幼児のころに虫歯などで乳歯を早く失ってしまうことも原因のひとつです。八重歯も叢生の一種と考えています。

過蓋(かがい)咬合

 かんだときに上の歯が下の歯を完全に隠してしまえば、それは過蓋咬合です。放置しておくと、前歯が前突しかねません。下の歯が上の前歯の裏側の歯肉を傷つけることもあります。

交叉咬合(クロスバイト)

 上下の歯列がところによって前後に交叉している状態が交叉咬合です。すれ違い咬合やクロスバイトと呼ぶこともあります。遺伝や外傷、不十分な歯科処置などが主な原因ですが、頬杖や片側咀嚼、口呼吸などの生活習慣によっても引き起こされますから、注意しなければなりません。

正中離開

 歯と歯の間に隙間があると“すきっ歯”といいますが、それを歯科では正中離開や空隙歯列と呼びます。あごが大きくて歯が小さい場合、あるいは、生まれつき歯の本数が少ない場合に起こりやすくなります。