再治療で審美歯科へ
韓流ドラマに出てくる女優やK-POPのアイドルたちはみんなきれいな人ばかりです。一方で、韓国は美容整形大国ともいわれています。日本をはじめとして、中国やアジア各国からも整形手術のために韓国へ行く女性は多いと聞きました。国内外の需要の多さから、数多くの美容整形外科クリニックがあるようです。そうなると、技術の未熟な医師も出てきます。
実際、手術のミスによって悩みを抱える女性が増えているというニュースを先日テレビで見ました。日本の美容整形外科クリニックの中には、そうした悩める女性の駆け込み寺になっているところもあるといいます。
実は、審美歯科でも同じようなことがあるのです。ただし、手術ミスや診療ミスを理由にして来られるわけではありません。「銀歯を白い歯に変えたい」「治療した部分の歯が黒ずんできた」といった見かけの問題が中心になります。審美歯科を診療科目にかかげているクリニックであれば、虫歯などの治療後にセラミックへ変更したくなった、見た目が気になるといった患者さんの希望にお応えできます。
保険診療の詰め物と自由診療の詰め物、何が違うの?
保険診療をしている一般の歯科のドクターは、病気の治療を最優先にして治療にあたっています。治療後の補綴(ほてつ:治療後に歯に詰め物やかぶせ物を施すこと)に関しては、保険診療でできうる限りの治療をしている良心的なドクターも多いのですが、やはり、保険診療の制約によって自由診療の治療に比べると仕上がりに差が出てくるのは確かです。
使用する素材の制約
保険診療では、詰め物やかぶせ物は「銀歯」や「レジン(プラスチック)」といった素材で治療が行われますが、価格が安い反面、経年変化や劣化も起こりやすく、「見た目」や「からだへの影響」といった面でセラミックに劣ります。
時間の制約
また、自由診療ですと、チェアタイムと呼ばれるひとりの患者さまに対する診察時間も十分にとることができます。時間をかけて丁寧に治療することが可能です。1回の診察時間が長ければ、それだけ通院の回数も減らせますし、短期間で治療を終えることもできますから、患者さまの負担軽減にもなります。
補綴技術の差
審美歯科のドクターは、セラミックによる審美治療を専門に行い「見た目の美しさ」を追求しています。そのため、技術力の高いドクターも多く、被せ物をつける場合には、セラミックの被せ物が歯根の部分から自然と立ちあがっているように仕上げていきます。そのためには、被せ物の底辺の部分をうまく歯茎の下、およそ0.5ミリのところに隠さなければなりませんが、経験と技術力が問われる細かい作業となります。
「そこまでは必要無い」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の歯と被せ物の歯が滑らかにつながることで、汚れが溜まりにくく、虫歯や歯周病といったトラブルも引き起こしにくくなるのです。
審美歯科の「美」は、単なる見た目の「美」しさではなく、将来的にも健康で「美」しい歯を保持できるようにするための「美」であるといってもいいでしょう。