歯並びは、健康へと直結する「食生活」に関わる重要な要素です。
麺類が食べにくい、歯に食べ物が詰まりやすい、細かいものが噛めない…。そんな悩みを抱えてはいませんか?
胃病を招く胃への負担
胃の調子はいかがですか。最近、増えている胃の病気に逆流性食道炎があります。胃の内容物が逆流して食道にまで上がってくる病気です。
食道と胃の間は噴門部といい、食道から胃へはスムーズに流れていきますが、それが逆流しないように噴門部は閉じられます。加齢によって噴門部の筋肉が弱ってくること、肥満によって腹圧が上がることなども原因ですが、暴飲暴食、特に油っこい食事を続けていると、消化するために大量の胃酸が出るようになり、それとともに逆流を起こしてしまうのです。
胃酸は強力な酸性の液ですが、胃の内面はそれに耐えられるようになっています。ところが、食道はそういうわけにはいきません。酸性の胃酸によって炎症が起こり、それが胸やけやげっぷ、胸のつかえ、胃痛などの症状となって現れます。
治療には胃酸の分泌を抑える薬を服用するのが一般的ですが、いずれにしても、消化不良を起こさないようにすることが重要です。
噛み合わせの悪さと消化不良
実は「歯」は「消化」において重要な役割を果たしています。
みなさんは、歯が臓器のひとつと考えられていることをご存知ですか。意外に思われるかもしれませんが、近年では歯も消化系のいち臓器として大切な役割を果たしているのです。
歯の最大の役割とは咀嚼すること、つまり食べ物を噛み砕くことです。食べ物を噛むことで小さくして、それが唾液と混じり、消化しやすい状態になります。口の中でそこまでのことをやることで、胃の働きを助けているのです。胃でも胃酸によって食べ物を消化しますが、その前の段階である程度消化しておくと、胃の負担は軽くなります。
ところが、歯並びが乱れていたり、噛み合わせが悪かったりしては、食べ物を効率よく噛んで細かくすることはできません。結果として、消化不良のものを胃へ送ることになってしまいます。
その分、胃は必死になって働かなければなりません。人間は働きすぎると過労で調子が悪くなるように、胃も必要以上に働くことで機能低下を起こします。それが、胃痛や胃もたれ、げっぷ、胸やけなどとなって現れるわけです。胃の次には十二指腸や小腸、大腸などの消化器官が待ち受けています。これらの機能にも悪影響を及ぼしかねません。まさに「胃腸」の調子が悪くなるわけです。
消化機能が低下すると、栄養分の吸収もできなくなります。元気で健康に過ごすためには、バランスのとれた食事をして、十分な栄養をとることです。歯並びや噛み合わせの悪さは胃腸の不調から始まり、全身の健康へも影響していきます。
胃腸の不調で悩まされている、という方、歯並びは大丈夫ですか?一度歯科で歯並びやかみ合わせの検査を行ってみると、解決の糸口になるかもしれません。