数多くの歯科医院、増える矯正歯科医

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派手な広告宣伝もみられる歯科医院

 駅前の広場でよくティッシュを配っていますが、かばんの中には常にポケットティッシュを入れているので、たいてい私はその人たちの前を素通りします。しかも、外出時にティッシュを使うことはあまりないので、これまで受け取ったことはほとんどありません。

 先日、駅前ではなく、駅までの商店街でミニスカートをはいた数人の若い女性が大きな声を出しながらティッシュを配っていました。それが数日続いたので、ある日、珍しく受け取ることにしました。何の宣伝をしているのかを知りたいという気持ちがあったのかもしれません。

 そのティッシュには新しくできる歯科医院の広告が入っていました。どこにできるのかと思えば、若い女性たちが配っていたところは歯科医院のすぐ前でした。でも、看板などは出ていません。なんと、オープンは1週間後なのです。つまり、2週間ほど前から派手に宣伝をしていたことになります。

コンビニとどっちが多い?

 現代人の生活に欠かせない存在になっているのがコンビニです。私も1日に1度は利用していますが、自宅から駅までの商店街にも3軒のコンビニがあります。
 ここで質問です。日本にはコンビニの数と歯科医院の数のどちらが多いでしょうか。

 コンビニの数は2016年3月現在で5万4018店、歯科医院のそれは2014年で6万8560軒となっています。そういえば、駅までに歯科医院は3軒あり、新しく開業する医院を加えれば4軒となり、ここでもコンビニの数を超えることになるのです。

 

矯正歯科医も選ぶ時代に

 歯科医院は数が増え、経営が苦しくなるところも少なくありません。患者さんの獲得競争に入っているのです。前述したオープン前のティッシュ配りはその一環といえます。
矯正歯科を大きなチャンスと捉え、診療科目の中に矯正歯科を入れる歯科医院も増えてきました。その数は全体の3分の1を超えるといわれています。ただし、矯正歯科の専門研修を受けた歯科医は全体の1割にも満たないでしょう。専門研修を受けていたとしても、確かな技術や豊かな経験があるとは限りません。
すでに美容整形の世界ではさまざまなトラブルが起こっていますが、矯正歯科を実施する歯科医院が増えてくると、不十分な矯正を行なうところが現れ、それがトラブルに発展することもあるでしょう。歯科医院とともに、矯正歯科医も選ぶ時代になったのです。患者さんも賢くならなければなりません。良い矯正歯科医を選ぶ基準やその方法はいくつかあります。それについては、随時説明していくつもりです。