マウスピース治療の流れ

カウンセリング・精密検査からスタート

 まず、カウンセリングを行ないます。各クリニックによりますが、無料でカウンセリングを行っている所も多くありますので、まずお話を聞きたいという患者さまはカウンセリングに申し込むのも情報収集のひとつの方法です。カウンセリングでは、歯並びを確認したり、患者さまのお話を聞き、ご希望やご事情を十分に把握することに努めます。

 カウンセリングで、矯正治療を現実的に考え始めた患者さまは次に、精密検査・診断に進みます。精密検査は検査費がかかるクリニックがほとんどですので、よく考え矯正治療を行うか否か、どこのクリニックで受けるかを決めてから行うといいかもしれません。精密検査では3DCTや写真撮影、歯型取得などを必要に応じて行ない、どのような治療が可能か、期間はどのくらいかなどを医師が判断していきます。

 インビザラインで重要なのが治療計画の立案です。治療計画はこれらの検査によって得られたデータをもとに治療計画を立てられます。精密検査にも現代ではデジタル機器が導入され始めています。計画をより正確に、より緻密に立てることに、デジタル医療機器が役立っていると言えます。

アメリカでのマウスピース製作

 マウスピースブランドのひとつ「インビザライン」で使用するマウスピースはすべてアメリカのアライン・テクノロジー社で製作します。そのため、検査で得られたデータを同社へ送付しますが、それだけでは十分ではありません。患者さまの事情や状態はそれぞれ異なることから、インビザラインを熟知した歯科医によるコメントを必ず添付して送ることになります。また、それがより効果的なマウスピースを製作する決め手となるのです。

マウスピースの装着開始

 マウスピースが完成すれば、日本のクリニックへ送られてきます。それを装着して矯正治療がスタートです。1日に20時間以上の装着を必要とし、約10日から2週間で新しいマウスピースと交換します。それを行なうのは患者さま自身です。歯を目的の位置まで誘導するようにマウスピースの形は段階ごとに変化していきます。

 通院は2、3ヵ月に1度でかまいません。経過観察と歯のメンテナンスを主に行なうのが目的です。

治療完了後は保定へ

 治療は個人差もありますが、1、2年続きます。矯正治療が完了すれば、再度、3DCTで撮影し、治療計画どおりの結果が出ているかどうかを確認します。正しく歯が動いているか、歯の状態は問題ないかなど治療中はもちろんのこと、治療後も徹底した確認を行ないます。

 その後も1、2年かけてリテーナー(保定装置)を着けて安定させなければなりません。歯は生体ですから、もとに戻ろうとしますし、リテーナーがなければ、数週間もすれば治療前に戻ってしまいます。リテーナーの種類はさまざまです。取り外しができないフィックスタイプや取り外しができるマウスピースタイプなどがあります。

 きれいになった歯並びを保つためには、定期的な検診をおすすめします。歯並びはもちろん、虫歯や歯周病などを予防して健康な歯を維持しましょう!